しょうゆの主原料は、大豆、小麦、食塩の3つ。
仕込む大豆は、昔は丸のままの大豆(以下、丸大豆)を使っていましたが、物資の統制が厳しくなった1940年代を境に、“脱脂加工大豆“が使われるようになり、今では国内で流通するしょうゆの8割以上を占めるといわれています。
脱脂加工大豆とは、生の大豆から油を搾った後の、フレーク状になった大豆のこと。
搾った油の多くは、食用の大豆油(ゆ)として消費されています。
大豆油そのものは、スーパーの棚ではあまり見かけませんが、日本の代表的な植物油のひとつ。
色が淡くクセや匂いが少ないため、精製度の高い白絞油(しらしめゆ)、天ぷら油、サラダ油に用いられるほか、マヨネーズやドレッシングの原料などにも広く使われています。
油を搾った後の大豆を二次利用する脱脂加工大豆が、なぜ、しょうゆ原料の主流になっているのでしょうか。
その理由は、効率良くおいしさを求められることにあります。
しょうゆの旨味は、大豆が持つタンパク質が微生物の働きで分解されて生まれ、油脂は必要ありません。
あらかじめ油を取り除いた脱脂加工大豆は吸水性に優れ、タンパク質の分解スピードも速く、油脂を含んだままの丸大豆とくらべ、旨みを感じやすいのです。
「油の搾りカスでしょうゆを仕込むのか!」と、眉をひそめることなかれ。
ただし、原料の大豆がどこから来たのかわかりづらい点に目をつぶれば、の話です。
丸大豆で仕込むと、大豆に含まれる脂質の影響で、発酵期間は脱脂加工大豆の2倍から3倍かかりますが、その分大豆の脂肪分がじっくり分解され、醤油の旨みとまろやかさが増すのです。
また、熟成中のもろみから自然なアルコール分が発生するため、保存性も高まります。
先人の知恵と自然の恵みが詰まった昔ながらの醤油には、余分なものを加える必要は無いのです。
日本食品工業で醤油づくりに“脱脂加工大豆“を使わず、伝統製法の”丸大豆天然醸造仕込み”にこだわっています。
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