かつおぶしの原料は、ご存じのとおりカツオの身です。
新鮮な刺身やたたき料理で味わうと格別なおいしさですが、その鮮やかな赤身肉は柔らかく、傷みやすいのが難点。
先人たちは、タンパク質豊富なカツオの栄養を身体に摂りこむため、取り出した身を煮て、天日で十分に乾燥させ大切に食していました。
712年完成の『古事記』に登場する堅魚(かたうお)が、かつおぶしのルーツと言われ、江戸時代前期、紀州(今の和歌山県・三重県の一部)の1人の漁師により、今のようなかつおぶしの加工技術が生まれたと伝えられています。
和食の出汁に欠かせないかつおぶしは、加工の度合いによって、荒節(あらぶし)、本枯節(ほんかれぶし)と、呼び名や味の特色、使い方が異なります。
スーパーなど、店頭に並ぶかつおぶしの大半はこの荒節で、日本食品工業の『だしの素』や『めんつゆ』などの原材料にもなっています。
家庭で手軽に出汁を取ったり、冷奴やお好み焼きにかけたりと重宝する『花かつお』にも荒節が使われています。
共通する基本工程は以下の三つです。
(1)煮熟(しゃじゅく)
原料のカツオの頭と尾、内臓を取り除いたものを、90℃以上で2時間ボイルして身を引き締めます。
(2)骨抜き
カツオの胴体を四割りした節から、手作業で1本1本、ていねいに骨を抜きます。
(3)焙乾(ばいかん)
クヌギやナラ材などの薪の煙や熱で燻すことで、水分を飛ばし微生物の発生を防ぎます。
焙乾(ばいかん)とは“焙乾して冷ます“こと。この工程を2〜3週間繰り返すことで、かつおぶし独特の香りと旨味の強さが特徴の「荒節」が完成します。
近年、味噌や醤油など、伝統調味料が持つ発酵食品としての魅力に注目が集まっていますが、かつおぶしの本枯節も発酵食品に位置づけられます。
本枯節とは、荒節の表面のタールと脂肪分を削り(※場合によりカツオの血合いを取り除く)、乾燥とカビ付けを繰り返し、最低でも3カ月間、熟成させたもので、保存性も高く、香り・旨みが爽やかな出汁を取ることができます。
脂肪分が分解され、うまみ成分が増した本枯節は、すっきりと清澄、まろやかで深みのある出汁が取れることから、料亭やこだわりの蕎麦店などで使われ、“極上のかつおぶし”と称されます。
同じかつおぶしでも、それぞれの味を使い分けることで、好みの出汁に近づくことができますね。
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